-
-
定年が近づくと、「このあと自分にできる仕事はあるのだろうか」と不安になる方は少なくありません。年金だけで暮らしていけるのか気になる一方で、体力の衰えも感じ始める時期です。
しかし実際には、60代で働き続ける女性は年々増えています。体力に無理のない職種や、時間を調整しやすい働き方も広がってきました。
この記事では、定年後の仕事について女性が知っておきたい実態や選び方、具体的な職種、求人の探し方、お金と制度をまとめて紹介します。
| 【この記事で分かること】 ・女性が定年後の仕事選びで重視すべきポイント ・女性におすすめの定年後の仕事12選と探し方 ・定年後に働くうえで知っておきたいお金と制度 |
女性の定年後の仕事に関する実態
内閣府の「令和6年版高齢社会白書」によると、女性の就業者の割合は60~64歳で約64%、65~69歳で約43%にのぼりました。70~74歳でも、およそ4人に1人にあたる約26%が働いています。
雇用形態を見ると、女性はパートなど非正規で働く割合が高く、60~64歳で約73%、65~69歳では約85%を占めます。同じ年代の男性が約44%、約68%であることを踏まえると、60歳以降の非正規比率は男性よりおおむね高い水準です。
さらに、収入のある仕事をしている60歳以上のうち約4割が「働けるうちはいつまでも」働きたいと回答しています。定年後も自分のペースで仕事を続ける女性は、もはや珍しい存在ではありません。
女性が定年後も仕事を続けるメリット
定年後に働く価値は、収入を得ることだけではありません。毎月の給与による経済的な余裕は、将来のお金への不安をやわらげてくれます。生活のなかに適度な運動や頭を使う機会が組み込まれるため、心身の健康維持にも良い影響が期待できるでしょう。
社会とのつながりを通じて誰かの役に立っている実感を得られる点も、大きな魅力です。
年金以外の収入で経済的不安を軽減できる
定年後の主な収入源は公的年金ですが、受給額だけで生活費をすべてまかなうのは簡単ではありません。働いて毎月一定の収入を得られれば、日常の生活費の足しになるうえ、旅行や趣味に使うゆとりも生まれるでしょう。
貯蓄を切り崩すスピードがゆるやかになり、老後資金への精神的なプレッシャーも軽くなります。自分で稼げるお金があるという安心感は、豊かな老後を支える心強い支えになります。
規則正しい生活で健康を維持できる
退職後は決まった予定がなくなるため、生活の時間帯が不規則になりやすい傾向にあります。定期的な仕事を持てば起床や就寝の時間が定まり、生活リズムの乱れを防げます。
通勤や業務中の移動が適度な運動となり、筋力の低下や体力の衰えを抑えるうえで大きなメリットです。決まった時間に活動し、適度に脳と体を動かす習慣は、病気の予防や認知機能の維持や健康寿命を延ばすことにもつながります。
社会とのつながりや生きがいを保てる
仕事から完全に離れると家庭のなかに閉じこもりやすく、孤独感や社会的な孤立を覚える人も少なくありません。職場で同僚やお客様と言葉を交わす機会があれば、社会の一員としての実感や自分の役割を改めて確認できます。
「誰かに感謝された」「役割を果たせた」という喜びは、毎日を充実させる大切な要素です。人との会話やつながりが生きがいを生み、前向きな気持ちを保ちやすくなります。
女性が定年後の仕事選びについて重視すべきポイント
定年後の仕事選びでは、現役時代と同じ基準で職場を探してもうまくいきません。体力の衰えやライフスタイルの変化に応じて、「自分に合った働き方」を見極める視点が必要です。
無理なく長く働き続けるために、どの条件を優先するのかを事前に整理しておくと、後悔のない職種選びにつながります。
体力的な負担が少ないこと
加齢に伴い、長時間の立ち仕事や重い荷物を運ぶ作業は体への負荷が大きくなります。腰痛や膝の痛みを招き、健康を損なってしまっては本末転倒です。
体への負担が少ない座り仕事や、作業強度が比較的低い職種を選ぶ配慮が大切です。自分の体力を冷静に見極め、疲労が翌日に残らない範囲で働ける環境を優先すると、結果として長く仕事を続けやすくなります。
シフトや勤務時間の融通が利くこと
定年後は、家族の介護や通院、孫の世話など、家庭のスケジュールが流動的になりやすい時期でもあります。週1~3日の勤務や短時間労働が可能かなど、勤務形態にどれだけ柔軟性があるかを事前に確認しておきましょう。
急な予定変更にも対応してもらえる職場なら、プライベートと仕事を無理なく両立できます。自分の生活を犠牲にせず、心のゆとりを保ちながら勤務を続けられるかどうかが重要です。
これまでの経験・スキルが活かせること
過去に培ってきた職業経験や、家事・育児で身につけたスキルは、定年後の仕事探しで大きな強みになります。長年の事務経験や接客スキル、日常的な料理や掃除の手際などは、多くの職場で高く評価される要素です。
知識を一から覚える負担が減り、自信を持って仕事に臨むことができるため、職場への適応もスムーズに進みます。
通勤の負担が小さいこと
毎日の通勤は、想像以上に体力を消耗します。とくに満員電車での長距離移動や悪天候のなかの移動は、シニア世代にとって大きなストレスになります。
自宅から徒歩や自転車で通える範囲、あるいは乗り換えの少ない職場を選ぶと安心です。通勤にかける時間と体力を最小限に抑えられれば、仕事を終えた後の疲労感もやわらぎ、日々の暮らしや趣味の時間にも余裕が残せます。
年齢制限や定年がないこと
せっかく新しい仕事に慣れても、上限年齢を理由に短期間で退職することになっては残念です。応募条件に年齢制限を設けていない職場か、70代以上も活躍している環境かを、あらかじめ調べておきましょう。
年齢に関わらず本人の意欲や適性を評価してくれる企業を選べば、長期にわたって安定して働き続けられます。定年という枠組みに縛られず、自分が希望する時期まで働けるかどうかが大切なポイントになります。
女性におすすめの定年後の仕事12選
定年を迎えた女性が無理なく活躍できる職種は数多くあります。体力の負担や活かせるスキル、勤務体系の違いを比較しながら、自分のライフスタイルに合う仕事を見極めていきましょう。
以下の表におすすめの12職種の特徴をまとめました。
セラピスト
.webp)
体のコリをほぐし、リラクゼーションを提供する仕事です。お客様の好みに合わせた接客や細やかな心配りが求められるため、豊かな人生経験を積んだシニア女性の包容力が強みになります。
未経験からスタートできる研修制度を整えた店舗も多く、技術を身につければ一生モノのスキルとして長く働ける点も魅力です。感謝の言葉を直接受け取れる機会が多く、やりがいを感じやすい職種と言えます。
事務職・経理補助
.webp)
データ入力や書類整理、電話対応などを担当する、デスクワーク中心の業務です。座り作業が多いため体への負担が小さく、体力を温存しながら働けます。
これまでのオフィスワーク経験やWord・Excelの操作スキルも、そのまま活かせる仕事です。パートタイムでの募集も豊富にあり、無理のない時間帯を選んでコツコツ作業を進めたい人に向いています。
医療事務
.webp)
病院やクリニックで受付や医療費の計算、診療報酬の請求を担当します。地域医療を支える大切な役割で、患者さんへの温かい対応や親身に話を聞く姿勢が欠かせません。
医療事務の資格があれば有利ですが、未経験から応募できる求人も数多くあります。近所のクリニックなどで募集が見つかりやすく、立ち仕事が少ないぶん体力を温存しながら長く働ける点も魅力です。
販売・接客
.webp)
スーパーやドラッグストア、アパレル店舗などで、商品の販売やレジ打ち、陳列を担当します。人と話すのが好きな人に向いており、丁寧な応対や提案を通じて活気のある時間を過ごせる職種です。
地域の店舗で求人が多いため自宅の近くで働きやすく、短時間シフトが充実しているケースも目立ちます。長年の買い物経験や主婦目線を活かした細やかな商品案内は、お客様から喜ばれるポイントです。
カスタマーサポート
.webp)
電話やメール、チャットを通じて、お客様からの質問や相談に対応する仕事です。コールセンターなどデスクワークで完結するため立ち仕事がなく、天候に左右されず、室内で落ち着いて働けます。
落ち着いた対応力や聞き上手な姿勢が評価される職種で、人生経験の豊かな女性のやわらかな言葉遣いが信頼につながるでしょう。研修体制の整った企業が多く、マニュアルに沿って段階的に業務を覚えられる点も安心材料になります。
介護職

高齢者施設や訪問介護で、利用者の日常生活を支える役割を担います。身体介護だけでなく食事作りや掃除といった生活援助の仕事もあり、日常の家事経験をそのまま業務に活かせる点も特徴です。
シニア世代の気持ちに寄り添える同世代ならではの共感力が強みになり、利用者から直接感謝される深いやりがいも得られます。短時間勤務や無資格・未経験から始められる求人も多く、社会貢献を実感しながら働ける環境です。
清掃
.webp)
商業施設やオフィスビル、マンションなどの清掃作業を担う職種です。特別な資格や高度なパソコン操作を求められないため、未経験からでもスムーズに始められます。
作業中は黙々と自分のペースで取り組めるケースが多く、人間関係のストレスを受けにくい点も特徴です。適度に体を動かす内容なので、運動不足の解消や体力維持を兼ねて働きたい女性におすすめです。
調理補助
.webp)
病院や学校、福祉施設、飲食店などの厨房で、食材の下ごしらえや盛り付け、食器洗浄を担当します。メインの調理はプロの調理師が担うため、日常的な料理の経験があれば作業にもすぐなじめる環境です。
決められた手順に沿って進める形式が多く、未経験でも不安なくスタートできます。自分の作った食事が人の健康を支える喜びを感じつつ、チームで手際よく作業をこなす充実感も味わえます。
マンション管理員
.webp)
マンションの受付やエントランスの清掃、施設点検、住民への対応などを担当します。激しい肉体労働は少なく、適度な巡回とデスクワークを組み合わせたペースで働けます。
住人との良好な関係を築く丁寧な挨拶や気配りが重視されるため、シニア女性の穏やかな人柄が存分に活きる環境です。定年なしの求人や週数日からの短時間シフトも多く、無理のないペースで長く続けやすい点もメリットになります。
家事代行
.webp)
依頼者の自宅を訪問し、料理や部屋の掃除、洗濯などを代行するサービスです。これまで家庭で培ってきた家事スキルをそのまま提供できるため、特別な研修を受けなくても即戦力として活躍できます。
「家庭の味を作ってほしい」「細やかな掃除をしてほしい」といった要望に対しては、主婦目線の経験が大きな強みです。働く日時やエリアを自分で選べる点も、続けやすい理由の一つに挙げられます。
講師・インストラクター
.webp)
着付けや書道、料理、ヨガなど、趣味や特技を活かして指導する仕事です。カルチャースクールや自宅教室で生徒に教えるスタイルが一般的で、得意分野を社会に還元する喜びを味わえます。
人に教える過程を通じて生きがいを感じやすく、生き生きとした表情で受講生と向き合えるでしょう。体調や希望に合わせて開講ペースを調整できるため、マイペースに活動を続けられます。
在宅ワーク
.webp)
パソコンやスマートフォンを使い、自宅でデータ入力やWEBライティングなどを行う働き方です。通勤の負担がまったくないため、体力面の不安を抱えずに働けます。
業務時間や作業量を自分のスケジュールに合わせて調整できるので、家事や介護との両立も難しくありません。自分のペースを最優先しながら収入を得たい女性にとって、理想的な選択肢と言えます。
女性が定年後の仕事を探す5つの方法
希望に合った仕事を見つけるには、求人ルートごとの特徴を理解したうえで使い分けることが重要です。探し方によって、扱っている職種や年齢層の傾向、働き方の柔軟性も変わってきます。
自分の希望条件やスキルに合った窓口を選べるよう、主要な5つの方法を整理しました。
ハローワーク
地域に根ざした公的な職業紹介機関で、地元の求人情報が豊富に集まっています。シニア向けの専門窓口や相談コーナーを設けているところも多く、職員と対面で相談しながら職探しを進められる点が安心です。
条件に合う求人の提案に加えて、履歴書の書き方や面接対策といった就職支援も無料で受けられます。地元企業とのつながりが強いため、自宅の近くで就職先を探したい人に向いた方法です。
シルバー人材センター
原則60歳以上の地域住民を対象とする、都道府県知事の指定を受けた公益社団法人が運営する就業支援組織です。軽作業や施設管理、家事支援など、高齢者が無理なく取り組める短時間・臨時的な仕事を扱っています。
雇用契約ではなく会員として業務を受託する形式が一般的で、配分金という形で対価を受け取ります。しっかり稼ぐことよりも、地域貢献や健康維持、適度な社会参加を目的に自分のペースで働きたい女性に適した方法と言えるでしょう。
求人サイト・アプリ
インターネットを通じて、いつでもどこでも希望の条件で求人を検索できる手段です。近年は「シニア歓迎」「週2日~OK」「短時間」といった条件で絞り込めるサイトも増えました。
自宅にいながら多数の求人を比較検討できるため、効率よく仕事探しを進められます。サイトによっては職場の写真や詳しい労働条件が掲載されており、働くイメージをつかんでから応募できる点もメリットです。
再雇用
定年を迎えた後も、これまで勤めてきた企業に継続して雇用される制度です。慣れ親しんだ職場環境や人間関係をそのまま引き継げるため、新しい環境に適応するストレスもほとんどかかりません。
自分の業務内容や企業文化を熟知しているぶん、即戦力として安心して仕事に取り組めます。労働時間や給与体系は定年前と変わるケースが一般的ですが、人間関係を一から築き直す負担を避けたい人に適した方法です。
知人の紹介
友人や元同僚、地域の人脈を通じて求人情報を紹介してもらう方法です。職場の雰囲気や業務の大変さを事前に聞けるため、入職後のミスマッチを防ぎやすくなります。
人柄や能力を知っている人からの紹介であれば、一般的な採用面接よりもスムーズに話が進みやすいでしょう。周囲とのつながりを活かして、安心して新しいスタートを切れる魅力的な選択肢と言えます。
女性が定年後の仕事を始める前に知っておきたいお金と制度
定年後に働き始める際は、労働に関する法律や公的制度を正しく理解しておくことが大切です。制度を事前に把握しておけば、活用できる給付金の申請や年金の減額回避にも役立ちます。
損をせず安心して働き続けるために、押さえておきたい主な法律とお金の制度を解説します。
65歳までの雇用確保義務と70歳までの就業機会確保
高年齢者雇用安定法により、定年年齢を65歳未満に定めている事業主には、「65歳までの定年の引上げ」「定年制の廃止」「65歳までの継続雇用制度の導入」のいずれかを実施することが義務づけられています。
さらに、2021年4月からは、対象となる事業主に対して、70歳までの就業機会を確保する措置を講じることが努力義務となりました。
定年を迎えても希望すれば長く働ける仕組みが整っているので、制度を知ったうえで積極的に活用していきましょう。
参照:厚生労働省「高年齢者雇用安定法の改正~70歳までの就業機会確保~」
働きながら年金を受け取るときの支給停止
老齢厚生年金を受け取りながら厚生年金に加入して働く場合は、「在職老齢年金」の対象になります。2026年度は、老齢厚生年金の基本月額と、標準報酬月額に直近1年間の賞与を月割りした額を加えた「総報酬月額相当額」の合計が65万円を超えると、原則として超過額の2分の1が老齢厚生年金から支給停止される仕組みです。
ただし、老齢基礎年金は支給停止の対象になりません。基準額を超えた場合でも、減額されるのは超過分の一部にとどまります。働き方を決める際は、給与と年金の合計額や社会保険料なども含めて確認することが大切です。
高年齢雇用継続給付の活用
60歳到達等時点と比べて賃金が75%未満に下がり、雇用保険に加入したまま働き続ける場合は、「高年齢雇用継続給付」を受けられる可能性があります。
支給対象は、原則として60歳以上65歳未満で、雇用保険の被保険者期間が通算5年以上ある人です。支給額は各月に支払われた賃金をもとに算定されます。
給付率は60歳に達した時期によって異なり、2025年3月31日以前に60歳へ到達した人は賃金の最大15%、2025年4月1日以降に到達した人は最大10%です。定年後の再雇用などで賃金が下がった場合に、収入の減少を補う制度として活用できます。
参照:厚生労働省「令和7年4月1日から高年齢雇用継続給付の支給率を変更します」
まとめ
定年後の仕事選びでは、体力的な負担の軽さやライフスタイルに合ったシフトの柔軟性、これまでの経験を活かせるかどうかが大切なポイントになります。公的制度や多様な求人ルートを正しく把握し、無理のない働き方を見つけられれば、セカンドライフはいっそう充実していきます。
定年後も生き生きと社会で活躍したい60代の女性におすすめなのが、全国600店舗以上を展開する「りらくる」のセラピストです。
りらくるには未経験からプロを目指せる無料の研修制度があり、長年の人生経験や丁寧な接客スキルをそのまま活かせます。業務日数は週1日・短時間から柔軟に選べるため、体調や家庭の予定に合わせて無理なく続けられるでしょう。
人を癒やす喜びと感謝を直接受け取れる「りらくる」で、あなたらしい新しい働き方を始めてみませんか。



























































































