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癒しの仕事に就きたいと思っている方のなかには、セラピストとマッサージ師の違いがよくわからず、どちらを目指すべきか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。両者は似ていると思われがちですが、施術の目的や必要な資格、働く場所などに大きな違いがあります。
本記事では、セラピストとマッサージ師の違いをわかりやすく解説します。また、どのような人に向いているかも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
【この記事で分かること】 ・セラピーとマッサージの違い ・セラピストとマッサージ師の違い ・セラピストに向いている人、マッサージ師に向いている人 |
「セラピー」と「マッサージ」の違いを理解しよう
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まずはセラピーとマッサージの違いを見ていきましょう。
セラピストが行う施術は「セラピー」と呼ばれます。元来は「治療」や「療法」を意味しますが、近年は多種多様なセラピーが誕生しており、治療や療法ではない、癒しに特化したリラクゼーションなどで使われることが増えています。
リラクゼーション系のセラピーは、緊張をゆるめる、リラックスする、くつろぐなどの意味で使われるのが一般的です。リラクゼーション系のセラピーはお客様の心身に癒しを与えるのが目的であり、体の不調やけがなどを「治療」するものではありません。
一方、マッサージとは、あん摩マッサージ指圧師が法律に基づいて行う施術で、腰痛や肩こりなどの「治療」を行えるのが特徴です。
このように、セラピーとマッサージはそもそも目的や法的な位置付けが異なり、提供するための資格やサービス内容などにも違いがあります。
セラピストとマッサージ師の違い
ここからは、リラクゼーション系セラピストとマッサージ師の違いを説明します。まずは、以下に両者の違いをまとめました。
違い | セラピスト | マッサージ師 |
目的 | 癒しを与える | 体の不調を治療する |
資格 | 資格不要 | 国家資格必須 |
職場 | リラクゼーションサロン アロマサロン 整体院など | 病院 治療院 福祉施設など |
収入 | 平均年収396万円 | 平均年収430万円 |
それでは、目的や資格、職場、収入の違いについて詳しく解説します。
目的の違い
リラクゼーション系セラピストの目的は、専門的な知識や技術によってお客様に癒しを与え、心身の負担を軽減することです。ヒアリングやカウンセリングをもとに、視覚や聴覚、触覚などの五感にアプローチし、疲労やストレスの緩和を目指します。
一方、マッサージ師の目的は患者様の体の不調を治療することです。押す・揉む・叩くといった指圧やマッサージで血行促進やゆがみの矯正を行い、痛みや疲労の軽減、心身の健康回復・増進を目指します。
>セラピストとは?職種ごとの仕事内容・必要な資格・職場を解説
資格の違い
リラクゼーション系セラピストは基本的に資格は不要ですが、マッサージ師は「あん摩マッサージ指圧師」という国家資格が必要です。
前述のとおり、リラクゼーション系セラピストは無資格でもできます。未経験OKの研修付きサロンで働きながら、スキルや接客を学ぶ人も少なくありません。
ただし、スキルアップのためには、民間資格を取得する、セミナーや研修を受けるといった自己研鑽が不可欠です。なお、セラピストの民間資格には、リラクゼーションセラピストやアロマテラピー検定、リフレクソロジストなどがあります。
一方、あん摩マッサージ指圧師の資格を取るには、専門の養成機関で3年以上学び、国家試験に合格しなければなりません。資格の合格率は毎年85%程度となっているため比較的目指しやすいといえますが、養成期間中の学費は300万円~500万円程度かかります。
このように、マッサージ師に比べるとリラクゼーション系セラピストは資格取得に必要な費用や時間がかからず、それを理由にリラクゼーション系セラピストの道を選ぶ人もいます。
職場の違い
リラクゼーション系セラピストとマッサージ師は、働く場所も大きく異なります。
リラクゼーション系セラピストは主に癒しや美容に関する施術を行うため、リラクゼーションサロンやアロマサロン、エステサロン、整体院、福祉施設、教育機関などで働くことが多い傾向があります。
一方、マッサージ師は、体の不調の治療を目的とした施術がメインです。そのため、就業先は病院や治療院、福祉施設、教育機関、マッサージサロンなどが多くなっています。
収入の違い
厚生労働省が発表した令和6年度の「賃金構造基本統計調査」によると、セラピストの平均年収は396万円でした。あん摩マッサージ指圧師の平均年収は約430万円となっており、30万円以上の差があります。
このように、マッサージ師のほうがリラクゼーション系セラピストよりも高年収の傾向がありますが、年収は地域や年齢によっても異なるため一概にはいえません。例えば、広島県のセラピストの平均年収は445万円となっています。また、年齢別のデータでも45~49歳は450万円を超えているなど、マッサージ師の平均年収を超えるケースもあります。
なお、セラピストの年収についてより詳しい情報を知りたい人は、次の記事をご覧ください。
セラピストかマッサージ師あなたがなるならどっち?
リラクゼーション系セラピストとマッサージ師には共通点もあるため、結局どちらが良いのかわからなくなってしまった人もいるかもしれません。ここからは、要望別にどちらが向いているかを紹介します。
すぐに働き始めたい
「とにかく勉強に時間を費やすよりも働きたい」という人もいるでしょう。リラクゼーション系セラピストは無資格・未経験でも始められるため、すぐに働いて稼ぎたい人はマッサージ師ではなく、リラクゼーション系セラピストがおすすめです。
前述したようにマッサージ師になるには国家資格(あん摩マッサージ指圧師)を取る必要があり、勉強の費用と時間がかかります。一方、リラクゼーション系セラピストならば無資格だとしても、研修のあるサロンで働きながらスキルを身につけられます。
資格取得の費用や時間を抑えたい場合は、リラクゼーション系セラピストが現実的な選択肢になるでしょう。
おしゃれなサロンで働きたい
おしゃれな空間で働きたい方には、リラクゼーション系セラピストがおすすめです。リラクゼーション系セラピストが働くリラクゼーションサロンやアロマサロンなどは、ラグジュアリーなインテリアやアロマの香りなど、お客様が心身ともに癒される空間づくりが重視されています。
一方、マッサージ師が働く医療機関や治療院、マッサージ店などは、白基調のシンプルで清潔感のある空間が特徴です。
美容や癒しに興味があり、おしゃれなサロンで働きたい気持ちがあるなら、リラクゼーション系セラピストのほうが向いているといえるでしょう。
キャリアアップしたい
リラクゼーション系セラピストもマッサージ師も、それぞれキャリアアップが可能です。
マッサージ師は国家資格(あん摩マッサージ指圧師)を持っているのが大きな強みです。医療機関や福祉施設で働けるのはもちろん、ケアマネジャー、はり師、きゅう師、柔道整復師などのほかの国家資格を取ることで、施術の幅や活躍の場を広げられます。
一方、リラクゼーション系セラピストは経験を積みながら民間資格を取得することでより良い施術が提供できるようになり、お客様の信頼を得られるようになるでしょう。管理職や開業も目指すことができ、自分のキャリアプランに合わせて成長できます。
まとめ
リラクゼーション系セラピストとマッサージ師には、目的や必要な資格、働く場所、収入などに明確な違いがあります。無資格・未経験でもチャレンジできるリラクゼーション系セラピストは、癒しや美容に興味があり、リラクゼーションサロンやアロマサロンなどで働きたい方に最適な道といえるでしょう。
一方、マッサージ師はあん摩マッサージ指圧師の国家資格を活かして医療分野などで活躍したい人に向いています。どちらを選ぶか迷った際には、自分の目指す将来の姿や働き方に合った職業を選ぶことが大切です。
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