-
-
「セラピスト」と「カウンセラー」は、どちらも心身のケアに携わる職業ですが、それぞれの役割やアプローチの方法には違いがあります。
「自分にはどちらが向いているのだろう」「仕事内容や必要な資格、働く場所の違いを知りたい」と考えている方は、その違いを正しく理解することで、自分に合ったキャリアを見つけやすくなるでしょう。
この記事では、セラピストとカウンセラーの違いについて、「仕事内容」「クライエント(相談者)」「職種・資格」「職場」「向いている人」「目指し方」の視点から、わかりやすく解説します。
【この記事で分かること】 ・セラピストとカウンセラーの仕事内容やクライエント(相談者)の違い ・セラピストとカウンセラーの職種や資格、職場の違い ・セラピストとカウンセラーの向いている人や目指し方の違い |
セラピストとカウンセラーの違いとは?
.webp)
心や身体をケアする専門職として、「セラピスト」と「カウンセラー」は混同されやすい存在です。しかし、それぞれが担う役割やアプローチには明確な違いがあります。
セラピストは、施術によって、クライエント(相談者)の心身に直接働きかけを行う一方、カウンセラーは対話を通じて、クライエントの内面に寄り添いながら自己理解と問題解決を支援します。
まずは、セラピストとカウンセラーの概要をご紹介します。
セラピストとは
セラピストとは、「施術」を用いて、クライエントが抱える心身に直接働きかける専門職です。
専門的な知識や技術を駆使してクライエントの心身にアプローチしていく役割を担います。
例えば、リラクゼーションセラピストは、もみほぐしなどの手技によって身体の緊張や疲労を和らげ、心身のバランスを整えます。
セラピストが「働きかける側」、クライエントが「受け入れる側」という構図が基本となり、セラピスト主導でケアが施されるため、セラピストのスキルや判断力が求められます。
>セラピストとは?職種ごとの仕事内容・必要な資格・職場を解説
カウンセラーとは
カウンセラーは、対話を通じてクライエントの内的成長を促す役割を担います。カウンセリングの現場では、クライエントの話に深く耳を傾け、感情に丁寧に寄り添いながら、クライエント自身が自らの力で問題の本質を理解し、解決策を見つけ出せるようにサポートするのが仕事です。
カウンセラーは安易にアドバイスや答えを与えるのではなく、あくまでクライエントが主体的に悩みと向き合い、乗り越えていくことを重視します。
そのため、カウンセラーは受動的な姿勢が基本となり、クライエントの話すペースや感情の動きに合わせて、焦らずじっくりと寄り添うことが求められます。
セラピストとカウンセラーの違いを細かく深堀り
心や身体のケアに関わるセラピストとカウンセラーですが、その役割やアプローチは大きく異なります。対応するクライエントの違いや取得すべき資格、働く場所、向いている人の特徴などを細かく比較することで、それぞれの職業への理解が深まるでしょう。
以下の表は、セラピストとカウンセラーの5つの違いをまとめたものです。
比較項目 | セラピスト | カウンセラー |
対応するクライエント | 疲れや緊張、不眠などを感じる人 | 人間関係の悩み・将来の不安など心の問題を抱えている人 |
職種・資格 | リラクゼーションセラピスト アロマセラピストなど | 公認心理師 臨床心理士など |
職場 | リラクゼーションサロン 福祉施設など | 病院の精神科 保健所 教育機関など |
向いている人 | 体力があり人を癒すことにやりがいを感じる人 | 話を丁寧に聞けて、感情移入しすぎず冷静に対応できる人 |
目指し方 | 民間資格の取得やサロンの研修で学ぶ | 心理系の大学・大学院を経て国家資格や民間資格の取得が必要なケースもある |
ここでは、両者の違いをわかりやすく整理しながら、それぞれの特性を掘り下げて解説していきます。
クライエントの違い
セラピストとカウンセラーでは、対応するクライエント(相談者)に明確な違いがあります。セラピストのもとを訪れるクライエントは、以下のように具体的な症状・不調を抱えている場合が多いです。
- 慢性的な疲れや緊張等に悩んでいる
- 仕事のストレスで心身ともに疲れている
- なかなか寝付けず、眠りが浅い
一方で、カウンセラーが対応するクライエントは、日常生活における漠然とした心の悩みや対人関係の不安を抱えている方が中心です。例えば、以下のようなケースが挙げられます。
- 職場での人間関係がうまくいかず、強いストレスを感じる
- 自分の将来に対して、漠然とした不安がある
- 家族との関係性がぎくしゃくしている
また中には、「なんとなく苦しいけど、何が原因かわからない」というように、自分の悩みをうまく言語化できない方も少なくありません。
このように、セラピストは「具体的な疲れや緊張を抱えた方」、カウンセラーは「悩みの原因がはっきりしない方」が中心であり、クライエントの状態やニーズに応じた専門的なサポートを行っています。
職種・資格の違い
セラピストとカウンセラーでは、職種や取得すべき資格の種類が大きく異なります。セラピストやカウンセラーの職種・資格として、以下のような例が挙げられます。
職種 | 資格 | ||
セラピスト | リラクゼーション・美容系 | リラクゼーションセラピスト | リラクゼーションセラピスト認定資格(民間資格)など |
アロマセラピスト | アロマセラピー検定(民間資格)など | ||
カウンセラー | 公認心理師 | 公認心理師(国家資格) | |
臨床心理士 | 臨床心理士(民間資格) |
リラクゼーション・美容系のセラピストは、リラクゼーションセラピストやアロマセラピストなどがあり、主に民間の認定資格(例:リラクゼーションセラピスト認定資格、アロマセラピー検定)を取得して活動します。
手技によるもみほぐしやアロマを使ったボディケアでクライエントの五感に働きかけ、日々の疲れやストレスを和らげることが目的です。国家資格がなくても施術可能で、民間資格の取得や、研修を受けることでスキル習得が可能であるため、未経験からでも挑戦しやすいのが特徴です。
カウンセラーに関しては、「公認心理師」や「臨床心理士」といった心理系の資格を取得することが一般的です。
2017年には、日本初の心理職の国家資格である「公認心理師」が誕生し、心理支援に関わる業務の専門性がより明確に定義されるようになりました。公認心理師は、心理的な課題を抱えるクライエントに対して、カウンセリングや心理アセスメント、助言、指導などを行います。
また、臨床心理士は日本臨床心理士資格認定協会が認定する民間資格で、主に大学院で心理学を専門的に学んだ後に受験・取得する必要があります。医療・教育・福祉・司法などの分野で広く活躍しており、高度な専門性と倫理観が求められる職種です。
職場の違い
セラピストとカウンセラーでは、活躍する職場も大きく異なります。
リラクゼーション系セラピストは、主にリラクゼーションサロンで働くことが多く、エステサロンやスポーツジム、温浴施設、ホテル内のスパ、福祉施設など、民間のサービス施設が主な勤務先です。未経験者でも就職しやすく、サービス業の一部として広く活躍しています。
一方、カウンセラーは心理的な支援を必要とする現場で幅広く活躍しています。特に、公認心理師や臨床心理士といった専門資格を持つ人は、以下の5つの専門分野が主な活動領域です。
- 保健医療分野:総合病院の精神科や心療内科、地域の保健所、精神保健福祉センターなど
- 福祉分野:児童相談所、児童養護施設、高齢者福祉施設、障害者支援施設など
- 教育分野(スクールカウンセラー):全国の小学校、中学校、高校など
- 産業・労働分野(産業カウンセラー):企業の健康管理センターやメンタルヘルス相談室、EAP(従業員支援プログラム)機関など
- 司法・法務分野:家庭裁判所、刑務所、少年鑑別所といった司法関連施設
上記に加えて、独立してカウンセリングルームを運営する個人開業や、大学や大学院などの研究機関に所属学術活動を行うケースもあります。専門性を活かした多様な働き方が可能な点がカウンセラーの特徴です。
向いている人の違い
セラピストに向いている人の特徴は、以下の通りです。
- 体力に自信があり、長時間の施術にも耐えられる人
- 穏やかな性格で、感情を安定して保てる人
- 人を癒すことにやりがいを感じ、思いやりを持って接することができる人
リラクゼーションセラピストは、長時間の立ち仕事や、手や身体全体を使った施術が多いため、体力のある人が向いています。
また、自身の心身の健康を保ちつつ、常に穏やかで安定した対応ができる精神的な強さも求められます。さらに、リラックスや身体のケアを通じて「人の役に立ちたい」という気持ちも大切です。
これに対して、カウンセラーには以下のような人が向いています。
- 人の話を否定せず、最後まで丁寧に聞ける人
- 感情移入しすぎず、冷静な分析ができる人
- 守秘義務を守れるような口が堅く信頼される人
カウンセラーの仕事では、傾聴力と忍耐力が特に重要です。クライエントの話を遮らず評価判断挟まずに、丁寧に耳を傾け続けられる人が向いています。また、感情に引きずられずに冷静に分析できる力、問題の構造を理解し、整理して伝える論理的思考力も重要です。
加えて、クライエントのプライバシーに関わる非常にデリケートな情報を扱うため、秘密を守れる口の堅さが不可欠です。
目指し方の違い
リラクゼーションセラピストとして働くために必須となる学歴や国家資格はありません。専門学校やスクールに通って知識・技術を学ぶ方法もありますが、研修制度が整っている企業で、実務を通じてスキルを学ぶ方法がおすすめです。
「りらくる」では、プロのセラピストとして活躍するための実践的な研修をすべて無料で提供しています。研修制度は、未経験者をプロに育てることを前提に設計されており、りらくるのセラピストの約85%が未経験からスタートしています。
未経験からセラピストを目指したい方にとって、りらくるのサポート体制は非常に魅力的といえるでしょう。
まとめ
セラピストとカウンセラーは、どちらもクライエントの悩みや問題に寄り添い、専門的なサポートを提供する重要な職業です。ただし、両者の役割やアプローチの方法、必要な資格や働く場所などには明確な違いがあります。
セラピストは手技を通じて、心身に直接的なアプローチをします。一方で、カウンセラーは対話を通じて、クライエントが自身の力で心の悩みや不安を整理・解決できるよう支援するのが特徴です。
どちらの職業も現代社会における需要は高く、自分の適性や働き方の志向に応じて選択することで、やりがいを感じながら長く活躍できるキャリアを築けるでしょう。
もし、未経験からセラピストを目指すのであれば、研修制度が充実した「りらくる」がおすすめです。
りらくるでは、5万人以上のセラピストを育成した実績を持つ、経験豊富なトレーナー陣の丁寧な指導により、セラピストとしての一生ものの専門スキルを身に付けることができます。
施術スキルはもちろん、接客スキルまでトータルで学べるため、未経験の方でも安心してプロのセラピストを目指せる環境です。
セラピストとして働きたい方は、ぜひ一度、研修制度の充実した「りらくる」にご相談ください。